- WEB拍手お礼ページ用・SS募集 -
WEB拍手お礼ページ用のSSを募集、公開させていただいていました。
2009年9月から2010年2月まで募集、2009年10月から2010年3月までの公開でした。

投稿してくださった作家の皆さま、ありがとうございました!!


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↓↓ 3月・投稿作品 ↓↓
現代パロディ・女体化
文・高橋あすかさま(HP

バレンタインデーの続きのような小説ですが、知らなくても読めます。
作兵衛が「作」という女の子です。
寛大な方のみ、スクロールで…







ちょうど一ヶ月前、留三郎は気障すぎる告白をした。
入れ知恵は悪友の伊作だった。
毎年、当たり前のようにくれる手作りのチョコレートに心が躍り、伊作に自慢がてら話していたとき。


『海外では男も女も関係なく好きな人にチョコレートやバラを贈るんだって』


まさに目からウロコ。


すぐに行動に移したのは言うまでもなく、すべては愛しいあの子の為だった。
とはいえ、15歳の厳つく育った留三郎は乙女の戦場、もとい死闘の場へ足を踏み入るのは躊躇われた。
まさに合戦。
乙女の力強さ、恐るべきと言ったところか。
チョコレートは諦めた留三郎はバラ一本を購入した。



−−−−ことの次第を報告すると、悪友は絶句通り越してドン引きした。−−−−



あれから、受験生であり怒涛の入試に突入したあの子に会えずにいた。

いやそれに関係なく、会えなかった。
ただ単に恥ずかしい。
今更、今更だが留三郎は消えてしまいたいくらいで、自分を罵りたい。
穴があったら自らはまって埋もれたい。





その相手は、今、目の前にいた。

「作…あの…」

「す、すみません。なんの捻りもなくて」
愛らしい声も今日はなんだか震えている。
綺麗に包装された赤い箱を差し出して、それにも負けないほど朱い耳をして俯いている。
きっと顔はもっと朱いだろう。
しかし、留三郎にはそれに気付く余裕などない。
「お、美味しいか自信ないですけど、いっ、一生懸命作りました!少しいびつだけど、お腹壊さないと思います!!」
胸に押し付けられて、思わず受け取る。
箱からチョコレートの甘い香りがしている。
つまりこれは、そういうことだろうか。

「そ、それじゃ!!」

「ま、待ってくれ作!」


踵を返し、脱兎の如く逃げ出そうとした作を反射的に捕まえた。
驚くほど細い腕と柔らかさにごくりと喉が鳴った。
やっと見えた顔は朱く、うるっとした瞳で留三郎を見上げた。




「これは、俺の好きに取ってもいいんだよな?」



わざと、いやそんな風にしか言えなかった。
聞けなかった。
でも、もしかしたら。

「ず、ずるい…です。留三郎兄さんは…」

「うん、ずるいかもな。なぁ、作」

さらりと、やはり柔らかい髪を指に絡める。
答えを。


「バラ、ありがとうございました。私も…」


一ヶ月前の返事は。



真っ赤な顔した二人のみが知っている。



End

文・羅菜さま

忍術学園とその周辺は一面の桃色で埋め尽くされていた。



学園から少し離れた場所の桃色、もとい桜の木の下に一つの深緑。

その後ろに萌黄が歩み寄る。



「先輩・・・」
「・・・作、か」


留三郎はこちらを振り返り作兵衛の呼びかけに笑い返す。
しかしその笑顔はいつもの満面の笑みではなく、愁いを帯びた笑顔である。
対する作兵衛も何時もなら人前では出さない泣きそうな顔。









「卒業・・・ おめでとう、ございます」








そう、今日は忍術学園の卒業式。 留三郎が深緑の忍装束を着る最後の日。








「作・・・」
「ホント、おめでとうございます。これで先輩も一人前の忍者っすね」
「作」
「先輩ならすぐにエリート忍者で色んな城からひっぱりだこですね! あ、それともどっかの城に就「作兵衛」
「・・・ッ!」



留三郎が作兵衛をきつく抱きしめる。 それを合図に作兵衛の瞳からは大粒の涙が流れ始めた。
その泣き声が聞こえると、留三郎は更に抱きしめる力を強くした。 その存在を確かめるように。




暫くはそのままだったが、作兵衛は何かを言いたいらしく、留三郎は背中をさすりなが言葉を待つ。



「先ぱっ・・・! 俺、これから用具委員の委員長として 頑張ります・・・っ!」
「うん・・・」
「もっと補修も上手くなるし、教え方も、上手く伝えられるようにがんばります・・・っ 」
「うん、作ならきっとできるよ」
「知識ももっと色々なこと身に付けるし・・・っ 忍術も上手くなるように頑張ります・・・! だから・・・」
「・・・うん?」











「だから・・・ 俺が、俺が留三郎、さんに追いつくまで・・・待っててください・・・!」



「・・・・!」





目を 見開く。
しかしすぐに優しい微笑みへ。




「・・・ああ。 作兵衛が俺の所まで来るの、 ずっと、待ってるよ」

「は、い・・・!」






作兵衛は留三郎から少し離れ、 自分の目を擦り涙を溜めながらながらも満面の笑みで言う。

















「留三郎先輩。 ご卒業、  おめでとうございます!」
      

「ああ・・・ ありがとう!!」






















































「・・・・って普通はなるよなぁ? この時期」
「先輩、せっかくのシリアスが台無しすぎます!    ・・・・まぁこれが落乱クオリティっすよ・・・」
「まぁそうだな・・・。 でも、そのおかげで作とまた一緒に居られるんだけどな!!」
「ちょ、いきなりくっつかないでくださいよ!」
「えー? いいだろー!         で、作?」
「・・・なんですか?」
「これからも よろしくな!」
「・・・はい、 よろしくおねがいします!」


...END
 


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